レビュー:ソッカの美術解剖学ノート

表紙 レビュー

これまでいくつも人体の描き方を扱った参考書を購入してきましたが、その中でも「ソッカの美術解剖学ノート」は頭抜けたものがあります。一部他の参考書とも比較していきながらレビューしていますので、購入を検討中の方は参考にしてみてください。

  • 大ボリューム

Amazonなどの商品ページでは気付きにくいですが、とにかく分厚い。☆分厚さの写真掲載予定

このページの中に、絵と情報が詰まっています。多少価格の高い本ですが、質はもちろん量も十分な情報が詰まっています。☆参考書比較写真掲載予定

価格差があるとはいえ、他の参考書との比較でボリューム感が分かります。手、頭など一部位ごとに非常に多くのページがあります。

たっぷり640ページ。
1ページの情報量も多いです。
  • 身体の機能の記述が多い

美術解剖の参考書の目的は、人体のカタチを把握する為の補助として人体の構造を知ることだと思います。実際、他の参考書では人体内部の構造を図示し様々な角度からカタチを確認できるようになっていますが、その身体の部位がどのような機能を持ちどう動くかまでは書いてありません。美術解剖の目的を思えばそれが当然とも思いますが、「ソッカの美術ノート」の内容はそれに止まりません。

例えば、足の章の導入部では、「人間、生物にとって移動とは」「なぜ生物には車輪ではなく間接のある足がついているのか」という話題から始まります。他に類を見ないくらい細かく部位ごとに解説があり、カタチを示すだけでなくその部位が身体の中でどのような役割を担っているかも詳しく記述されています。

模写の為というより、構造の理解の為の図解とテキストが多い。他の本では得られない価値があると思います。
  • 身体を知ること

絵を描くだけなら、それは冗長ではないのか。何が作者を駆り立て、此処まで身体を掘り下げて記述するのか。それについては、本書の序文に著されているので、是非購入して読んで貰えればと思います。自分の、人間の身体をよく知ることはそれらを愛することの第一歩です。

  • 絵を描く為の参考書として

お手本としての使い勝手は普通〜高い。解説は図や絵が豊富で、作者による美麗なイラストも掲載されている。ただし、部位ごとに動きや役割を細かく説明している分、とにかくカタチを描く為の参考資料にする絵や図が見たいという使い方には少々不向きかもしれません。パッと本を開いた時、模写できる絵は殆どなく、人体構造を解説する模式図と文章がページを埋めていることが多い。目に飛び込んでくるカタチを見るというより、仕組みと構造を頭で理解して描けるようになっていくタイプの本です。

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