俺とフィギュア

俺の趣味は何かと聞かれると、やはりフィギュアと答えるべきかと思います。一通りのオタク系のあれこれはバラバラと楽しんできたが、何か一つと言われればやはりこれだろう。

この記事は、俺のフィギュア趣味の歴史を整理しようと思います。

  • フィギュアとは

フィギュアとは何か、改めて考えると、それ程自明という訳でもありません。俺の思うフィギュアとは、基本的には規模はともかく複製される事を前提としたものです。ワンオフの制作物ももちろんフィギュアではありますが、俺がいわゆるフィギュアという言葉を使うときは、複製品が販売されているものを指しています。

フィギュアは立体、実在の物質を言います。素晴らしいカタチ、存在、それを自分で所有できること。それがフィギュアの一番の魅力です。

だから、俺は幾ら精巧でもデータ上の立体はフィギュアとは思いません。実在のものではないからです。たしかに、この考えは2019年現在、俺がデータというものをあくまで画面の中のものとしか捉えていないからであり、今後データと現実の結び付きが強くなったりデータ世界の重みが増すことによって変わったゆく価値観と思われるかもしれません。ただ、俺は観念上の理想のカタチを、原型を金型を樹脂を手をヤスリを塗料を使って現実に作りあげ、さらにそれをマスプロダクションとして広く供給するという難業、それやってのける人会社の偉大さを思うと、やはりデータと現物の間には大きな溝があると感じます。

  • フィギュアの発見(2005年)

昔から、フィギュアの存在自体はうっすらと認識していた。小学生から読んでいた「こち亀」に度々登場する、いわゆる人形とは少し違うマニア向けのおもちゃ。

高校生のころからクラシックな名作アニメなどを見始め、オタク的な世界に少しづつ染まりつつあったが、フィギュアの世界はそのころの自分には”見えていない”ものだった。

受験生になろうとする高2の冬、予備校の近くのセブンイレブンで気まぐれに買ったトレーニングフィギュア(SIC 匠魂VOL.5)のハカイダーバイクの出来の良さに驚き、そこからフィギュアをの世界を初めて認識し、のめりこんでいきました。

匠魂VOL.5 ハカイダーバイク(2005年/バンダイ)。小さいサイズに凝縮されたディティールと、クラシックなキャラクターをアレンジしたデザイン。当時としても値段に対して満足感の高い製品だった。

  • 初動 (2005‐2006)

受験生としてかなりの時間を勉強に割きつつ、たまに予備校の近くのコンビニで買うトレーディングフィギュアが楽しみという生活が始まった。代金は昼食代などをやりくりして捻出した。当時はトレーディングフィギュア全盛で、それでもフィギュアの醍醐味を味わうことができた。

その後一年浪人してしまったが、この期間にもフィギュアは止まらなかった。僅かな貯金をはたき、この新しい世界に侵入を続けた。この時期に買ったのは、GFF、ハイコンプロ、リボルテック、Mia-exなどなど。

リボルテックシリーズ(2006‐/海洋堂)共通関節ブームを引き起こしたアクションフィギュアシリーズ。登場当時は1995円の低価格でラインナップの広さも、客層の広さもも今までにないものだった。今もリボルテックの名前は残っているものの、以前のような低価格シリーズとは呼びにくい価格帯になっている。キングゲイナー、ゲッター、トライガン……夢中で買いました。

  • 大学生 (2007‐2011)

大して稼がなかったとは言え、バイト代の殆どがフィギュアになった。この辺りからフィギュアの値上げが顕著だったが、なんとかバイトで追いつける範囲だった。後半には秋葉原に入り浸るようになり、トレーディングフィギュアの名品を探して中古ショップをぐるぐると徘徊した。海洋堂のデビルメイクライシリーズなどを入手。

  • 今 (‐2019)

就職してお金に余裕ができ、留まるところを知らないフィギュアの値上げにも耐えられるように。

今となっては価格よりも置き場の問題が深刻になり、禁忌としていた売却や廃棄を解禁しつつ、ペースは落ちたもののフィギュアの購入は続いている。ただ、高校生のころ、300円のトレフィグをいつまでも眺めていた自分を懐かしく思う。

 フィギュアに対して、出会った当初の情熱を持ち続けているわけではない事を、認めざるを得ません。ただ、熱狂というほどでなくても自分の人生の一部としてこれからも新しいフィギュアとの出会いを楽しみ、購入は続けていくと思います。そしてそれは市場全体にも似たことが言えると思います。2000年代前半に一気に知名度を上げ、オタク趣味の一角として根付いたフィギュアも値上げとともに広い層に対しての存在感は年々減っていってしまっているように感じます。ただ、高価なフィギュアを買い支える層も確かに存在しており、今しばらくはこの市場がすぐに消えてしまうということはないでしょう。

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